• 2026年4月1日

骨粗鬆症外来を受診するタイミングとは?見逃せない5つのサインと検査の流れ

骨粗鬆症は、骨密度が低下して骨がもろくなり、ちょっとした転倒や軽い衝撃でも骨折しやすくなる疾患です。

特に高齢者では、背骨の圧迫骨折や大腿骨の骨折が起こりやすく、一度の骨折が要介護や寝たきりのきっかけになることも少なくありません。

しかし、骨粗鬆症は自覚症状が現れにくい病気です。そのため、多くの方が骨折するまで気づかないという現実があります。

だからこそ、早期発見・早期治療が非常に重要です。今回は、骨粗鬆症外来を受診すべきタイミングと、見逃せない5つのサインについて詳しく解説します。

骨粗鬆症外来とは?専門的な診療の重要性

骨粗鬆症外来は、骨密度の低下や骨折リスクを専門的に評価し、適切な治療を行う外来です。

単なる薬の処方だけではなく、DXA法による骨密度測定、血液検査による骨代謝評価、患者さまの状態に応じた薬物療法、理学療法士による運動指導、転倒予防指導など、総合的な骨折予防プログラムを提供します。

骨粗鬆症の診療では、腰椎と大腿骨近位部の両者を測定することが推奨されています。当院では、その両部位で撮影することにより、より確実な診断が可能です。

骨粗鬆症は、骨密度が低下し骨がもろくなる疾患ですが、その原因はさまざまです。甲状腺の問題や、脳の下垂体の機能低下が原因となる場合もあります。

また、甲状腺全摘手術を受けた方は、甲状腺がないため甲状腺ホルモンを作れず、骨粗鬆症のリスクが高まります。

専門的な外来では、こうした原因を総合的に評価し、最適な治療方針を決定します。

見逃せない5つのサイン・・・こんな症状があれば要注意

骨粗鬆症は自覚症状が現れにくい病気ですが、以下のような兆候がある場合は、早めに骨粗鬆症外来を受診することをおすすめします。

1. 身長が縮んできた(過去数年で2cm以上)

過去数年間で身長が2cm以上縮んだ場合、背骨の圧迫骨折が進行しているサインかもしれません。

背骨の骨折は痛みを伴わないこともあり、気づかないうちに進行していることがあります。身長の変化は重要な指標です。

2. 背中が丸くなってきた

背中が丸くなる、いわゆる「円背(えんぱい)」は、背骨の圧迫骨折が複数起こっている可能性があります。

姿勢の変化は、骨粗鬆症が進行しているサインとして見逃せません。

3. 転倒などの明らかな原因がないのに背中や腰に痛みがある

転倒などの明らかな原因がないにも関わらず、背中や腰に痛みを感じる場合は、圧迫骨折の可能性を考慮し、早めに受診しましょう。

骨粗鬆症による圧迫骨折は、特別な外傷がなくても起こることがあります。

4. 閉経後の女性、または65歳以上の女性

閉経後の女性は、女性ホルモンの低下により骨密度が急激に減少します。特に65歳以上の女性は、骨密度検査を受けることが強く推奨されています。

女性ホルモンは骨の健康維持に重要な役割を果たしており、閉経後は骨粗鬆症のリスクが大幅に高まります。

5. 家族に骨粗鬆症や骨折の既往がある

家族に骨粗鬆症や骨折の既往がある場合は、遺伝的なリスクが高いと考えられるため、定期的な検査を受けることが推奨されます。

骨粗鬆症には遺伝的要因も関与しており、家族歴は重要なリスク因子です。

その他の受診を検討すべきケース

上記の5つのサイン以外にも、以下のような場合には骨粗鬆症外来の受診を検討すべきです。

長期ステロイド治療中の方

ステロイド薬を3ヶ月以上など長期間使用している場合は、副作用として骨密度が低下することがあるため、定期的な検査が必要です。

ステロイドは骨の形成を抑制し、骨吸収を促進するため、骨粗鬆症のリスクが高まります。

以前に骨折したことがある方

過去に骨折の経験がある方は、骨密度が低下している可能性が高く、再度の骨折リスクも高まります。

一度骨折すると、次の骨折が起こりやすくなるという「骨折の連鎖」が知られています。

運動不足の方

デスクワークや在宅時間の増加により、骨に十分な負荷がかからない生活を送っている方は、骨密度が低下しやすい傾向があります。

骨は負荷がかかることで強くなるため、運動不足は骨粗鬆症のリスク因子となります。

栄養バランスの乱れがある方

カルシウムやビタミンDが不足している方、過度なダイエットをしていた方は、骨の健康が損なわれている可能性があります。

栄養は骨の形成に不可欠であり、バランスの取れた食事が骨粗鬆症予防には重要です。

骨粗鬆症外来での検査の流れ

骨粗鬆症外来では、どのような検査が行われるのでしょうか。ここでは、一般的な検査の流れを解説します。

1. 問診と身体診察

まず、医師が詳しい問診を行います。

既往歴、家族歴、生活習慣、現在の症状などを確認し、骨粗鬆症のリスク因子を評価します。また、身長や体重の測定、姿勢の確認なども行います。

2. 骨密度測定(DXA法)

DXA法(デキサ法)は、腰椎と大腿骨の骨密度を測定する全身型の測定器を用いた検査です。

微量なエックス線を当てて骨密度を測定する方法で、検査自体は10分ほどで終わり、即日検査結果が出ることがほとんどです。

この検査により、将来の骨折リスクを数値化して評価することができます。

3. 血液検査による骨代謝評価

血液検査では、骨の作られ方・壊れ方(骨代謝マーカー)を確認します。

この検査により、他に内科的な疾患がないかなど総合的判断をしてから薬を選ぶことができます。骨代謝の状態を把握することで、治療方針を最適化できます。

4. レントゲン検査

必要に応じて、背骨や大腿骨のレントゲン検査を行います。

圧迫骨折の有無や骨の変形を確認し、骨粗鬆症の進行度を評価します。

5. 治療方針の決定

検査結果に基づいて、医師が治療方針を決定します。

薬物療法、運動療法、栄養指導、転倒予防指導など、患者さまの状態に応じた総合的な治療プログラムを提案します。

骨粗鬆症治療のゴール・・・健康寿命を延ばすために

骨粗鬆症治療の目的は、単なる数値改善ではありません。

私たちが目指しているのは、骨折しない身体、自分の足で歩き続けられる生活、介護に頼らない老後、そして健康寿命の延伸です。

骨折は、高齢者の生活の質を大きく低下させる要因です。転んで骨折し、入院すると、筋力低下が起こり、歩行困難になり、最終的に寝たきりになるという悪循環が生じることがあります。

この悪循環を防ぐためには、骨折を未然に防ぐことが最重要課題です。

骨粗鬆症の治療では、内服薬、注射製剤、骨吸収抑制薬、骨形成促進薬などを患者さまの状態に応じて適切に選択します。

また、骨を強くするには「運動刺激」が不可欠です。理学療法士による安全な運動指導を通じて、骨に適度な負荷をかけることが重要です。

さらに、転倒予防も重要な要素です。自宅環境、歩行、姿勢、筋力バランスをチェックし、転倒リスクを軽減することで、骨折を防ぎます。

骨粗鬆症治療は、人生の質(QOL)を守る医療です。早期発見・早期治療により、骨折リスクを大幅に軽減できます。

まとめ・・・小さな変化を見逃さず、早めの受診を

骨粗鬆症は自覚症状が現れにくい病気ですが、身長の縮み、背中の丸まり、原因不明の腰痛、閉経後、家族歴といった5つのサインを見逃さないことが重要です。

これらのサインに当てはまる方は、早めに骨粗鬆症外来を受診しましょう。

骨密度測定や血液検査により、骨折リスクを正確に評価し、適切な治療を開始することで、健康寿命を延ばすことができます。

小さな痛みや違和感でも、早めの相談が将来の大きなトラブルを防ぐ第一歩です。

どんな小さな症状でもお気軽にご相談ください。私たちは、痛みの根本原因の理解と、再発予防につながる診療を大切にしています。

渚うめだ整形外科クリニックでは、骨粗鬆症専門診療を通じて、地域の皆さまの健康寿命延伸を全力でサポートしています。

骨折を未然に防ぎ、自分の足で歩き続けられる生活を守るために、ぜひ一度ご相談ください。

骨粗鬆症が気になる方へ

背中や腰の痛み、身長低下、骨折歴がある方は一度相談をご検討ください。初診時の流れや必要な持ち物も確認しながら進められます。

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次の一歩

検査の必要性が気になる段階でも受診可能です。無症状でも骨密度低下が気になる方は、早めに相談先を確保しておくと安心です。

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【著者情報


渚うめだ整形外科クリニック 院長 梅田 眞志

関西医科大学卒業後、同大学大学院博士課程を修了し、再生医療の研究に従事。医学博士。
これまで、八尾徳州会病院、天心堂病院、社会保険滋賀病院、弘道会 萱島生野病院、関西医大枚方病院などで、脊椎疾患・関節疾患・骨粗鬆症・骨折などの外傷治療に幅広く携わってきました。
2018年に渚うめだ整形外科クリニックを開院。地域に根ざした整形外科医療を通じて、運動器疾患のかかりつけ医として診療を行っています。

主な経歴
・2000年 関西医科大学 卒業
・2008年 関西医科大学大学院 博士課程修了(再生医療の研究に従事)
・八尾徳州会病院
・天心堂病院
・社会保険滋賀病院
・弘道会 萱島生野病院 整形外科 医長
・関西医大枚方病院 整形外科(脊椎外科・骨粗鬆症担当)
・2018年 渚うめだ整形外科クリニック 開院

資格・所属学会
日本整形外科学会 整形外科専門医/日本整形外科学会 認定運動器リハビリテーション医/日本整形外科学会 認定リウマチ医/日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医/日本骨粗鬆学会認定医
日本整形外科学会、日本骨粗鬆学会、日本骨折治療学会、日本抗加齢学会に所属。国内外の学会・シンポジウムでも多数の講演実績があります。

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