枚方市御殿山の 渚うめだ整形外科クリニック 骨粗しょう症のページ|高槻 交野

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骨粗しょう症

骨粗しょう症とは

主に加齢が原因で、骨の中のカルシウムの量(骨量)が減少し、まるで鬆(す)が入ったように骨がスカスカになり、もろくなってしまう疾患が骨粗しょう症です。現在日本では、およそ1300万人の方がこの病気に罹患しているのではないかと言われています。そして病状がさらに進行すると、くしゃみをした、あるいはつまずいて手や肘をついたといった、わずかな衝撃でも骨折をするようになります。さらに高齢者は骨折すると治りにくく、骨折した人の5人に1人は寝たきりになるといわれています。

高年齢、とくに女性患者が多いのも骨粗しょう症の特徴ですが、無理なダイエット、運動不足などの不摂生な生活習慣、特定の病気(関節リウマチ、糖尿病、慢性腎臓病、動脈硬化など)や薬の副作用(ステロイド薬の長期服用など)で発症することもあります。最近では、脳卒中、心筋梗塞といった心血管疾患を患った方も骨密度が低いという報告もあり、逆に骨粗鬆症が、脳卒中、心筋梗塞のリスク因子となっているといわれています。

なお、高齢の女性患者が多い理由として、女性が50歳前後(個人差はあります)で閉経を迎えることが原因と言われています。その大きな要因が閉経になることで減少する女性ホルモン(エストロゲン)です。エストロゲンには、骨の新陳代謝に対して骨吸収をゆるやかにし、骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。そのため閉経によりエストロゲンが減少してしまうと骨吸収のスピードが早まり、次第に骨形成が追いつかなくなるのです。このメカニズムが骨をもろくする原因と考えられています。

検査について

このようなことから、とくに50歳を迎える女性につきましては、骨粗しょう症の精密検査を一度受けてみることを、お勧めいたします。なお検査方法には、骨密度検査、レントゲン検査(胸椎や腰椎のX線写真を撮り、骨折や変形が無いかなどを確認)、血液検査(骨吸収と骨形成のバランスなどを調べる)があります。骨密度検査については、腰椎、大腿骨のDXA法を採用しています。

治療について

骨粗しょう症は、加齢や閉経以外にも食事や運動といった、日頃の生活習慣も関与することから「骨の生活習慣病」とも言われており、食事・運動療法もこの病気の予防と改善には欠かせません。また、検査の結果、骨粗しょう症の診断を受けた場合は、薬物療法による治療がメインとなります。

食事療法

骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質、および骨のリモデリングに必要なビタミンD・Kなどが、骨粗しょう症の治療や予防に必要な栄養素です。

カルシウムは食品として700~800mg/日、ビタミンDは400~800IU/日、ビタミンKは250~300μg/日を摂取することが推奨されています。これらの栄養素を積極的に摂りながら、さらにバランスのとれた食生活を心がけるようにしてください。

リモデリング:骨を壊す働きをする破骨細胞が骨を吸収する一方で、骨をつくる働きをする骨芽細胞が、破骨細胞によって吸収された部分に新しい骨をつくる代謝作用。

積極的に摂りたい栄養素を多く含む食品
カルシウム 牛乳、乳製品、干しえび、しらす、ひじき、わかさぎ、いわし、ししゃも、大豆製品、えんどう豆、小松菜、モロヘイヤ など
たんぱく質 肉類、魚類、卵、乳製品、大豆製品 など
ビタミンD あんこうの肝、しらす干し、いわしの丸干し、すじこ、鮭、さんま、かれい、うなぎ、煮干し、干し椎茸、きくらげ など
ビタミンK 納豆、抹茶、ブロッコリー、きゃべつ、サニーレタス、モロヘイヤ、しゅんぎく、おかひじき、小松菜、ほうれん草、菜の花、かいわれ大根、にら など

運動療法

骨は運動をして体重の負荷を掛けることで強化されます。さらに筋肉を鍛えることで体をしっかりと支えられるようになり、バランス感覚も向上して転倒の防止にもつながります。骨量を増やすには、強度の高い運動は必要ありません。ウォーキングのような軽度の運動でも十分に効果があります。軽度の運動でも長期に続けることが大切です。

薬物療法

骨粗しょう症の症状が進んでいる場合は、食事療法や運動療法に併せて薬物療法を開始します。主な治療薬は以下の通りです。

骨の破壊を抑制する薬
ビスフォスフォネート製剤
この薬は、骨吸収を抑えることで骨形成を促進し、骨密度を増やすというものです。現在、骨粗しょう症治療薬の第一選択薬でもあります。この薬は腸で吸収されると、骨へすぐに届きます。そして破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑制するようになるのです。その結果、骨形成が追いついて、密度の高い骨ができていきます。最近は、注射製剤として利用されるケースも多くなっています。
SERM(サーム:塩酸ラロキシフェン)
骨の新陳代謝に対して骨吸収をゆるやかにしてくれるエストロゲン(女性ホルモン)と似た作用をもち、骨密度が増えるようになります。なお、骨以外の臓器(乳房や子宮など)に影響を及ぼすことはありません。
カルシトニン製剤(注射薬)
骨吸収を抑制する効果も期待できますが、鎮痛作用が強いのも特徴です。そのため、骨粗しょう症で生じる背中や腰の痛みに対して用いられます。筋肉注射を週一回ほど行います。
骨の材料を補う薬
活性型ビタミンD3製剤
腸管からのカルシウムの吸収を促進して体内のカルシウム量を増やす作用があります。また、骨形成を促す効果も期待できます。最近は、骨以外の作用として、免疫の調整作用、筋肉増強作用、抗動脈硬化作用なども注目されています。
骨をつくる薬
PTH製剤(骨形成促進剤)
骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減少させる薬です。専用キットを用いて1日1回自己注射する薬と、週1回医療機関で注射する薬の2種類があります。使用頻度が限られるのも特徴で一生涯に1年半~2年間の期間でしか使用が出来ません。骨密度が著しく減少している場合、骨折リスクの高い患者様に用いられます。
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