• 2026年4月19日
  • 2026年4月10日

整形外科のリハビリテーション種類を解説〜運動療法から物理療法まで

「リハビリって、何をするの?」

整形外科を受診した患者さまから、よくこんな疑問をいただきます。

痛みが落ち着いてきたころ、「次はリハビリを始めましょう」と案内されても、具体的に何をするのかイメージできない方は少なくありません。実は整形外科のリハビリテーションには複数の種類があり、症状や回復段階に応じて使い分けられています。

この記事では、運動療法・物理療法・徒手療法など、整形外科で行われるリハビリの種類とその目的・効果を、渚うめだ整形外科クリニック(大阪府枚方市)の院長・梅田 眞志が詳しく解説します。

痛みの改善だけでなく、再発予防・健康寿命の延伸にもつながるリハビリの全体像を、ぜひ最後まで読んでみてください。

リハビリテーションとは何か〜整形外科における意味と目的

まず、「リハビリテーション」という言葉の意味から整理しましょう。

「リハビリテーション(Rehabilitation)」は、英語の接頭語「Re(戻す・再生)」とラテン語の「habilis(適した)」が語源です。単なる機能回復訓練を指すのではなく、日常生活・社会生活への復帰を目指すすべての取り組みを含む、より広い概念です。

WHO(世界保健機関)の定義では、「リハビリテーションとは能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するための、あらゆる手段を含む」とされています。

整形外科のリハビリでは、骨・筋肉・関節・神経など、「運動器」に生じた障害を対象とします。

運動器とは、体を動かすために必要な組織の総称です。ここに異常が起きると、歩く・立つ・座るといった日常動作に支障をきたします。

リハビリの目的は、ただ痛みをとるだけではありません。「できなかったことを、できるようにする」こと。それが本質です。

また、リハビリは早い段階から始めることが重要です。痛みがあるからといって過剰に安静を続けると、筋肉が萎縮し、関節の柔軟性が失われます。長期間動かさないでいると、さらに全身の機能が低下していく悪循環に陥ります。

これを「廃用症候群」といいます。

廃用症候群

長期間の安静や不動によって生じる身体機能の全般的な低下。筋力低下・関節拘縮・骨密度低下・心肺機能低下など、全身に影響が及びます。

だからこそ、痛みは薬で速やかにコントロールしながら、できる範囲のリハビリを早期から取り入れることが大切なのです。

整形外科リハビリの種類①〜運動療法

運動療法は、リハビリの中核をなす治療法です。

体を実際に動かすことで、筋力・柔軟性・バランス能力を回復・強化します。骨折後に動かしにくくなった関節を動かしたり、萎縮した筋肉を鍛え直したりと、患者さまの状態に合わせた運動を提供します。

運動療法の主な内容

  • 筋力トレーニング…低下した筋力を回復・強化する
  • 関節可動域訓練…関節の曲げ伸ばしの範囲を広げる
  • ストレッチング…筋肉の柔軟性を高め、痛みを緩和する
  • バランス訓練…転倒予防・歩行安定のための体幹・下肢強化
  • 歩行訓練・動作練習…日常生活動作の再学習
  • 体重支持・荷重練習…手術後・ギプス固定後の段階的な負荷訓練

運動療法では、実際に運動を始める前の「評価」が非常に重要です。関節の動く範囲・筋力・歩き方・姿勢など、さまざまな動きを丁寧に評価したうえで、その方に必要な運動プログラムを設定します。

自分で筋肉を動かし、適切な負荷をかけることで、はじめて筋力は向上します。電気刺激だけでは不十分です。

また、運動すると筋肉のポンプ作用によって血流が改善し、炎症や痛みに関係する物質が取り除かれやすくなります。痛みの緩和にも、積極的な運動が効果的なのです。

当院では、理学療法士が一人ひとりの状態を丁寧に評価し、安全かつ効果的な運動療法を提供しています。自宅でできるホームエクササイズの指導も行っており、日常生活の中でも継続的にリハビリを続けられるようサポートしています。

「リハビリは病院だけで終わりではない。自宅での継続が、再発を防ぐ最大の武器になる。」

整形外科リハビリの種類②〜物理療法

物理療法は、機械や器具の力を借りて体の治癒力を高める治療法です。

電気・温熱・牽引・超音波・レーザーなど、さまざまな物理的エネルギーを患部に作用させることで、痛みの緩和・血流改善・組織修復を促します。

物理療法の主な種類と効果

  • 温熱療法…ホットパックや超音波などで患部を温め、血流を促進。筋肉のこわばりをほぐし、運動療法前の準備として有効
  • 電気療法(低周波・干渉波など)…電気刺激で痛みを緩和し、筋肉の収縮を促す。神経痛・慢性疼痛に効果的
  • 牽引療法…頸椎・腰椎を機械的に引き伸ばし、椎間板への圧力を軽減。頸椎症・腰椎椎間板ヘルニアに適応
  • 超音波療法…超音波を患部に当て、硬くなった組織を動かしやすくする。炎症・浮腫みの改善にも有効
  • 冷却療法(アイシング)…急性期の炎症を抑え、腫れや痛みを軽減する

物理療法の大きなメリットは、痛みが強い時期でも比較的安全に行える点です。急性期から回復期にかけて、薬物療法と並行して実施することで、より早い症状改善が期待できます。

超音波療法は、手術で体内に金属が入っている方にも使用できる場合があり、術後リハビリにも活用されています。ただし、物理療法の中には金属が入った部位に使用できないものもありますので、担当の理学療法士・医師にご確認ください。

当院では、牽引・電気治療・温熱療法を組み合わせた物理療法を提供しています。肩こり・腰痛・むち打ち症など、慢性的な痛みを抱える患者さまに幅広く対応しています。

整形外科リハビリの種類③〜徒手療法

徒手療法は、理学療法士が直接手で行う「手技」です。

関節を自分で動かしにくい時期や、痛み・こりが強い方に対して、療法士の手を使ってさまざまな治療を行います。機械では届かない繊細なアプローチが可能な点が、徒手療法の大きな特徴です。

徒手療法の主な手技

  • 関節モビライゼーション…関節内の骨の動きを改善し、関節包を伸ばして動きをスムーズにする。骨折後や五十肩などの拘縮改善に有効
  • 筋膜リリース…筋膜(筋肉を包む膜)の癒着をほぐし、柔軟性と動きを回復させる
  • ストレッチ…硬くなった筋肉を持続的に伸ばし、関節可動域を広げる
  • マッサージ・軟部組織モビライゼーション…こわばった筋肉を柔らかくし、血流を促進する

関節モビライゼーション

骨折後のギプス固定や長期安静によって関節周囲の組織が硬くなる「拘縮(こうしゅく)」を改善するための手技。膝の拘縮なら正座が困難になり、五十肩なら腕が挙がりにくくなります。この状態に対して、関節の動きを丁寧に回復させていきます。

以前、腰椎の手術後にリハビリを受けた患者さまが「先生の手が当たるだけで、体がほぐれていく感覚がある」とおっしゃっていました。徒手療法の効果は、機械では代替できない部分があります。患者さまとの対話を大切にしながら、一人ひとりの状態に合わせた手技を選択することが重要です。

痛みの時期別リハビリの進め方〜急性期から回復期まで

リハビリは、痛みの時期によって内容が大きく変わります。

「痛いのにリハビリをするの?」と不安に感じる方もいますが、時期に応じた適切なリハビリを行うことが、早期回復と再発予防の鍵です。

急性期(受傷・発症から1か月前後)

ズキズキとした強い痛みがある時期です。

この段階では、患部の保護と炎症コントロールが最優先です。サポーターやコルセットで患部を固定し、薬物療法と並行して温熱・冷却などの物理療法を行います。筋力低下や関節の拘縮を予防するための、負荷の少ない軽いリハビリも取り入れます。

回復期(強い痛みが落ち着いてきた段階)

痛みが和らいできたら、本格的なリハビリに移行します。

運動療法(筋力トレーニング・歩行訓練)や物理療法(電気・音波・レーザー治療)を組み合わせ、筋肉の柔軟性の改善・筋力強化・正しい姿勢・動作の習得を目指します。日常生活指導も重要なポイントです。

維持期・予防期(日常生活への復帰後)

症状が安定してきた後も、リハビリは終わりではありません。

再発を防ぐための体幹トレーニング・姿勢指導・ホームエクササイズを継続することが、長期的な健康維持につながります。特に腰痛やぎっくり腰は再発しやすいため、回復後の予防リハビリが非常に重要です。

当院では、急性期の炎症コントロールから回復期の本格リハビリ、そして再発防止プログラムまで、一貫した治療体制を整えています。

整形外科リハビリが必要な主な症状・疾患

リハビリの対象は、骨折や手術後だけではありません。

日常生活に支障をきたすさまざまな症状に対して、リハビリは有効です。

リハビリが効果的な主な症状・疾患

  • 肩こり・腰痛(慢性疼痛)…姿勢不良・筋力低下・椎間板変性など整形外科的な原因が隠れていることも多い
  • ぎっくり腰(急性腰痛症)…急性期の炎症管理から、再発防止のための体幹トレーニングまで
  • 骨折後のリハビリ…関節拘縮・筋力低下の予防と回復
  • 変形性関節症(膝・股関節など)…筋力強化と関節への負担軽減
  • 交通事故・むち打ち症(外傷性頸部症候群)…首の痛み・頭痛・しびれに対する継続リハビリ
  • ストレートネック(スマホ首)…姿勢評価・運動療法・生活指導の組み合わせ
  • 骨粗鬆症…転倒予防・骨強化のための安全な運動指導
  • スポーツ障害…体の使い方の修正・再発予防トレーニング

「年のせいだから仕方ない」と諦めている肩こりや腰痛も、適切なリハビリで改善できる可能性があります。

どんな症状でも、まずはご相談ください。

渚うめだ整形外科クリニックのリハビリテーション〜地域密着の根本改善型治療

当院は、大阪府枚方市・京阪本線「御殿山駅」徒歩3分に位置する地域密着型の整形外科クリニックです。

旧渚病院の整形外科機能を継承し、長年この地域の運動器医療を支えてきた歴史があります。子どもから高齢者まで、幅広い年代の患者さまが来院されています。

当院のリハビリテーションの特徴

当院では、理学療法士による専門的なリハビリテーションを提供しています。医師の診療と並行してリハビリを行うことで、治療効果を最大化します。

具体的には、以下の治療を組み合わせて対応しています。

  • レントゲン検査・理学療法評価による原因の正確な把握
  • 物理療法(牽引・電気治療・温熱)による痛みの緩和
  • 運動療法による筋力強化・姿勢改善・再発予防
  • 転倒予防指導による自宅環境・歩行・筋力バランスの評価と改善

特に力を入れているのが、骨粗鬆症患者さまへのリハビリです。骨を強くするためには「運動刺激」が不可欠です。理学療法士が安全な運動方法を丁寧に指導し、骨折予防・転倒予防・健康寿命の延伸を目指します。

「その場しのぎではなく、根本から改善する」。それが当院のリハビリテーションに対する姿勢です。

痛みの根本原因を理解し、再発予防につながる診療を大切にしています。小さな症状でも、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ〜整形外科リハビリの種類と選び方

整形外科のリハビリテーションには、大きく分けて以下の種類があります。

  • 運動療法…筋力・柔軟性・バランス能力の回復と強化
  • 物理療法…電気・温熱・牽引・超音波などによる痛みの緩和と組織修復
  • 徒手療法…理学療法士の手技による関節・筋肉へのアプローチ

これらは単独で行うのではなく、組み合わせて使うことで最大の効果を発揮します。痛みの時期・症状・患者さまの生活スタイルに合わせて、最適なプログラムを設計することが大切です。

リハビリは「痛みをとるだけ」ではありません。再発を防ぎ、自分の足で歩き続けられる生活を守るための、大切な治療です。

渚うめだ整形外科クリニックでは、整形外科・リハビリテーション科・麻酔科を標榜し、地域の皆さまの健康寿命延伸を目指しています。

肩こり・腰痛・骨粗鬆症・交通事故後のリハビリなど、どんなお悩みでもお気軽にご相談ください。

▼ 渚うめだ整形外科クリニック(大阪府枚方市)

📍 大阪府枚方市 / 京阪本線「御殿山駅」徒歩3分

🏥 整形外科・リハビリテーション科・麻酔科

詳細は公式サイトよりご確認ください。

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次の一歩

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【著者情報


渚うめだ整形外科クリニック 院長 梅田 眞志

関西医科大学卒業後、同大学大学院博士課程を修了し、再生医療の研究に従事。医学博士。
これまで、八尾徳州会病院、天心堂病院、社会保険滋賀病院、弘道会 萱島生野病院、関西医大枚方病院などで、脊椎疾患・関節疾患・骨粗鬆症・骨折などの外傷治療に幅広く携わってきました。
2018年に渚うめだ整形外科クリニックを開院。地域に根ざした整形外科医療を通じて、運動器疾患のかかりつけ医として診療を行っています。

主な経歴
・2000年 関西医科大学 卒業
・2008年 関西医科大学大学院 博士課程修了(再生医療の研究に従事)
・八尾徳州会病院
・天心堂病院
・社会保険滋賀病院
・弘道会 萱島生野病院 整形外科 医長
・関西医大枚方病院 整形外科(脊椎外科・骨粗鬆症担当)
・2018年 渚うめだ整形外科クリニック 開院

資格・所属学会
日本整形外科学会 整形外科専門医/日本整形外科学会 認定運動器リハビリテーション医/日本整形外科学会 認定リウマチ医/日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医/日本骨粗鬆学会認定医
日本整形外科学会、日本骨粗鬆学会、日本骨折治療学会、日本抗加齢学会に所属。国内外の学会・シンポジウムでも多数の講演実績があります。

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