• 2026年5月25日
  • 2026年5月20日

子育て中の肩こり悩み〜整形外科医が教える原因と解消法

「また肩が痛い…」

赤ちゃんを抱っこしながら、そんなため息をついた経験はありませんか?子育て中のママ・パパにとって、肩こりはほぼ「当たり前」のように語られます。でも、慢性的な痛みをそのまま放置してしまうのは、とても危険です。

整形外科専門医として長年、肩こりや首の痛みに悩む患者さんを診てきた立場から、子育て中に起こりやすい肩こりの原因と、自宅でできるセルフケア、そして医療機関での治療法まで、わかりやすくお伝えします。

健康的な子育てライフを取り戻すために、ぜひ最後まで読んでみてください。

子育て中に肩こりが起きやすい理由

子育て中の肩こりには、明確な理由があります。

抱っこ・授乳・おむつ替えなど、育児の動作はほぼすべて「前かがみ」「うつむき」の姿勢です。この姿勢が長時間続くと、首から背中にかけて張っている「僧帽筋」という幅広い筋肉に、過剰な負担がかかります。

僧帽筋とは…

首の後ろから肩・背中にかけて広がる大きな筋肉で、肩こりの中心的な役割を担っています。この筋肉が緊張・硬直すると、血行不良が起き、鈍い痛みや重さとして感じられます。

抱っこ・授乳による姿勢の崩れ

赤ちゃんを抱くとき、多くの方が無意識に肩を内側に巻き込み、首を前に突き出す姿勢になります。この「猫背・前かがみ」の状態は、首や肩の筋肉に常に緊張を強いる姿勢です。

授乳中も同様です。赤ちゃんの顔を見ながら下を向く時間が長くなり、首への負担が蓄積されます。特に夜間授乳では、疲労した状態で同じ姿勢を繰り返すため、筋肉の回復が追いつかなくなります。

「育児をしていたら仕方ない」と思いがちですが、姿勢を少し意識するだけで、負担はかなり軽減できます。

睡眠不足と自律神経の乱れ

睡眠不足は、肩こりを悪化させます。

夜間の授乳や夜泣き対応で睡眠が分断されると、自律神経のバランスが崩れやすくなります。自律神経の乱れは、肩周辺の筋肉を緊張させ、血行不良を引き起こす原因のひとつです。疲れているのに肩が余計に凝る…という悪循環が生まれます。

運動不足と筋力低下

産後は外出の機会が減り、体を動かす時間が極端に少なくなります。運動不足が続くと、肩や背中を支える筋力が低下し、ちょっとした動作でも筋肉に負担がかかりやすくなります。

また、育児中は精神的なストレスも大きく、ストレスによる過剰な筋緊張も肩こりを悪化させる要因です。

肩こりを放置すると起こりうること

肩こりを「たかが肩こり」と軽く見てはいけません。

慢性的な肩こりが続くと、頭痛・吐き気・めまいを伴うことがあります。また、肩こりの症状の裏に、見逃せない疾患が隠れているケースもあります。

  • 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)…肩の動きが制限され、日常生活に支障が出ます
  • 眼精疲労…スマートフォンやパソコンの使用が多い方に多く見られます
  • 頚椎疾患…頸椎椎間板ヘルニアなど、神経への影響が出ることもあります
  • 高血圧・低血圧…内科的な疾患が肩こりとして現れることがあります
  • 更年期障害…ホルモンバランスの変化が肩こりに関係することがあります
  • 狭心症・心筋梗塞…まれに心臓疾患が肩の痛みとして現れることもあります

「ただの疲れ」と思っていた肩こりが、実は重大な疾患のサインだった…というケースは、整形外科の現場でも決して珍しくありません。

肩こりは「体からのSOSサイン」。慢性化する前に、専門医への相談を。

肩こりが気になるようになったら、一度は整形外科を受診することをおすすめします。

自宅でできる!子育て中の肩こりセルフケア

忙しい育児の合間でも、少しの工夫で肩こりを和らげることができます。

大切なのは「継続できる」こと。完璧にやろうとせず、できる範囲で取り入れてみてください。

姿勢の改善〜抱っこ・授乳のコツ

授乳クッションを活用して、赤ちゃんの位置を高くしましょう。うつむき角度が減るだけで、首への負担はかなり軽減されます。

抱っこのときは、背筋を伸ばし、赤ちゃんを体の中心に引き寄せるイメージで。肩を内側に巻き込まないよう、意識して胸を開くことが大切です。

「姿勢を正す」というのは、難しく考える必要はありません。ほんの少し意識を変えるだけで、筋肉への負担は変わります。

肩こり解消ストレッチ〜1日2回を目安に

日本整形外科学会でも、肩こりの予防と対策として、肩こり体操やストレッチを1日1〜2回行うことを推奨しています。入浴後など、肩が温まった状態で行うと効果的です。

以下のストレッチを試してみてください。

  • 肩回し…両肩をゆっくり前後に大きく回す。各方向10回ずつ
  • 首のストレッチ…頭をゆっくり左右に傾け、反対側の首筋を伸ばす。各15〜20秒キープ
  • 肩甲骨寄せ…両肘を後ろに引き、肩甲骨を中央に寄せる動作を10回繰り返す
  • 胸を開くストレッチ…両手を後ろで組み、胸を張って肩甲骨を寄せる。10秒キープ×3セット

赤ちゃんのお昼寝中や、授乳の合間など、短い時間でも構いません。毎日続けることが、肩こり改善への近道です。

温めることの大切さ

筋肉が冷えると、肩こりの症状は悪化します。

蒸しタオルや入浴で肩を温めると、筋肉の緊張がほぐれ、血行が改善されます。夏場でも、冷房の効きすぎた空間に長居しないよう注意が必要です。

育児中は自分のケアを後回しにしがちですが、お風呂にゆっくり浸かる時間を意識的に作ることが、肩こり予防にもつながります。

同じ姿勢を長く続けない

授乳・抱っこ・スマートフォン操作…子育て中は、同じ姿勢が長時間続きやすい環境です。

30分に1回程度、意識的に体を動かしましょう。立ち上がって軽く歩く、肩を回すだけでも十分です。「同じ姿勢を長く続けない」という習慣が、肩こりの予防に大きく役立ちます。

整形外科での肩こり治療〜どんな治療が受けられるの?

セルフケアで改善しない場合は、整形外科への受診をおすすめします。

「肩こりくらいで病院に行くのは大げさかな…」と思う方も多いですが、慢性的な肩こりには、専門的な診断と治療が必要なケースがあります。

診断の流れ〜問診・触診・画像検査

整形外科では、まず問診と触診を行います。

どのような痛みか、どんな時に痛むか、肩以外にも症状があるかなどを詳しく確認します。次に、僧帽筋の圧痛や筋緊張、肩関節の可動域、頚椎疾患の有無などをチェックします。

必要に応じて、X線(レントゲン)撮影やMRI検査、筋電図、血圧測定なども行い、肩こりの原因を正確に特定します。

薬物治療〜筋弛緩剤・鎮痛消炎剤・神経ブロック療法

原因に合わせた薬物治療を行います。

  • 筋弛緩剤…緊張した筋肉をほぐし、血行を改善します
  • 鎮痛消炎剤…痛みや炎症を抑えます(内服・湿布など)
  • 神経ブロック療法…痛みの伝達を遮断し、筋緊張を和らげます
  • トリガーポイント注射…筋肉の硬結(こり固まった部分)に直接注射し、痛みを緩和します

これらは単独で行う場合もあれば、組み合わせて行う場合もあります。患者さんの状態に合わせて、最適な治療法を選択します。

リハビリテーション〜理学療法士によるサポート

薬物治療と並行して、リハビリテーションを行うことも重要です。

医師の指示のもと、理学療法士や柔道整復師によるリハビリを実施します。肩や首の筋力強化、姿勢改善、日常生活での動作指導など、根本的な改善を目指したアプローチです。

また、牽引療法や温熱療法なども、肩こりの症状緩和に効果的です。漢方薬が有効なケースもあります。

子育て中の肩こり〜よくある疑問にお答えします

授乳中でも薬を飲んでいいの?

授乳中の薬の服用については、必ず医師にご相談ください。

整形外科では、授乳中であることを問診時にお伝えいただければ、授乳への影響を考慮した治療法を選択します。湿布薬や温熱療法など、内服薬を使わない選択肢もあります。「授乳中だから病院に行けない」と思わず、遠慮なくご相談ください。

肩こりと頭痛が同時に起きるのはなぜ?

肩こりが悪化すると、頭痛や吐き気を伴うことがあります。

これは、首や肩の筋緊張が血管を圧迫し、頭部への血流に影響を与えるためと考えられています。「肩こりからくる頭痛」は、緊張型頭痛として知られており、整形外科での適切な治療で改善が期待できます。

産後の肩こりはいつまで続くの?

産後の肩こりの期間は、個人差があります。

育児の姿勢や睡眠不足、運動不足が続く限り、肩こりも続きやすい傾向があります。セルフケアと並行して、早めに整形外科を受診し、適切なアドバイスを受けることが、早期改善への近道です。

渚うめだ整形外科クリニックの肩こり治療について

大阪府枚方市にある渚うめだ整形外科クリニックでは、肩こりや腰痛の治療に注力しています。

整形外科専門医・ペインクリニック専門医が在籍しており、問診・触診・X線などの画像検査で原因をしっかり特定した上で、患者さん一人ひとりに合った治療を提供しています。

  • 筋弛緩剤・鎮痛消炎剤などの薬物治療
  • 神経ブロック療法・トリガーポイント注射
  • 理学療法士・柔道整復師によるリハビリテーション
  • 生活指導・姿勢改善アドバイス

「肩や腰に違和感を覚えている」「慢性的な肩こりが続いている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

土曜日診察・夜間対応(〜19:30)・電子決済利用可能と、子育て中の方にも通いやすい環境を整えています。

患者さんからは「先生はとてもわかりやすく診察してくれる」「スタッフが笑顔で優しかった」といった声も寄せられており、安心して受診いただけるクリニックです。

「健康寿命を延ばし、地域寝たきりゼロをめざす」という理念のもと、痛みのコントロールとリハビリテーションに力を入れています。

まとめ〜子育て中の肩こりは、我慢しないことが大切

子育て中の肩こりは、決して「仕方ないもの」ではありません。

抱っこや授乳による姿勢の崩れ、睡眠不足、運動不足、精神的ストレス…これらが重なって、肩こりは起きています。原因を理解し、適切なセルフケアと専門的な治療を組み合わせることで、改善できます。

肩こりを放置すると、頭痛・吐き気・めまいなど、日常生活への影響が広がります。また、重大な疾患が隠れているケースもあります。

「少し様子を見よう」と思い続けて、気づいたら慢性化していた…というのは、よくあるパターンです。

あなたの体は、子育てを続けるための大切な資本です。

肩こりが気になったら、早めに整形外科を受診してください。専門医による正確な診断と、あなたに合った治療で、健康的な子育てライフを取り戻しましょう。

肩や腰の痛みでお悩みの方は、ぜひ渚うめだ整形外科クリニックにご相談ください。

▼ 肩こり・腰痛の診療詳細はこちら

渚うめだ整形外科クリニック 肩こり・腰痛

渚うめだ整形外科クリニック

〒573-0064 大阪府枚方市渚南町24-31 なぎさクリニックモール1F・3F

TEL:072-848-3755

土曜日診察・夜間対応(〜19:30)・電子決済利用可能

著者情報

渚うめだ整形外科クリニック 院長 梅田 眞志

関西医科大学卒業後、同大学大学院博士課程を修了し、再生医療の研究に従事。医学博士。
これまで、八尾徳州会病院、天心堂病院、社会保険滋賀病院、弘道会 萱島生野病院、関西医大枚方病院などで、脊椎疾患・関節疾患・骨粗鬆症・骨折などの外傷治療に幅広く携わってきました。
2018年に渚うめだ整形外科クリニックを開院。地域に根ざした整形外科医療を通じて、運動器疾患のかかりつけ医として診療を行っています。

主な経歴
・2000年 関西医科大学 卒業
・2008年 関西医科大学大学院 博士課程修了(再生医療の研究に従事)
・八尾徳州会病院
・天心堂病院
・社会保険滋賀病院
・弘道会 萱島生野病院 整形外科 医長
・関西医大枚方病院 整形外科(脊椎外科・骨粗鬆症担当)
・2018年 渚うめだ整形外科クリニック 開院

資格・所属学会
日本整形外科学会 整形外科専門医/日本整形外科学会 認定運動器リハビリテーション医/日本整形外科学会 認定リウマチ医/日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医/日本骨粗鬆学会認定医
日本整形外科学会、日本骨粗鬆学会、日本骨折治療学会、日本抗加齢学会に所属。国内外の学会・シンポジウムでも多数の講演実績があります。

渚うめだ整形外科クリニック

子育て中の肩こり、整形外科に相談できます

抱っこや授乳・スマホ操作が続く子育て中は、肩や首に負担がかかりやすい時期です。お体の不調はお気軽にご相談ください。

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