- 2026年4月20日
- 2026年4月10日
接骨院と整形外科の使い分け方〜症状別に選ぶべき医療機関がわかる

「足首を捻ったけど、接骨院と整形外科、どっちに行けばいいの?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、この選択を間違えると、必要な検査を受けられなかったり、保険が適用されなかったりと、思わぬ不利益につながることがあります。
渚うめだ整形外科クリニック(大阪府枚方市)の院長・梅田 眞志です。整形外科専門医として長年、地域の患者さまの運動器疾患に向き合ってきました。日々の診療の中で、「接骨院に通い続けていたが、実は骨折していた」「慢性的な痛みを捻挫として処置されていた」というケースを少なからず経験してきました。
この記事では、接骨院(整骨院)と整形外科の違いを整理し、症状別にどちらを受診すべきかをわかりやすく解説します。
適切な医療機関を選ぶことが、早期回復への最短ルートです。
接骨院と整形外科、そもそも何が違う?
まず、根本的な違いを整理しましょう。
最大の違いは、「診察・治療を行う人の資格」にあります。
整形外科は「医師」が診療する医療機関
整形外科は、医師免許を持つ医師が診療を行う医療機関(病院・クリニック)です。
医師は診断・投薬・注射・手術などの医療行為を法律上行うことができます。レントゲンやMRIなどの画像検査で骨・関節・神経の状態を正確に把握し、そのうえで治療方針を立てることが可能です。整形外科での診察・検査・投薬・リハビリは、原則として健康保険が適用されます。
接骨院は「柔道整復師」が施術を行う施術所
接骨院(整骨院)は、国家資格である「柔道整復師」が施術を行う民間の施術所です。
柔道整復師は医師ではないため、診断・投薬・注射・手術などの医療行為は行えません。手技療法・電気治療・温熱療法・テーピングなどによって、痛みや不調の緩和をサポートします。
なお、接骨院と整骨院は呼び方が異なるだけで、提供される内容に違いはありません。
保険適用の範囲が大きく異なる
整形外科では、ほぼすべての診療に健康保険が適用されます。
一方、接骨院で健康保険が使えるのは、骨折・脱臼・打撲・捻挫などの急性の外傷に限られます。慢性的な肩こりや腰痛、疲労回復目的の施術は保険の対象外となり、自費での施術が基本です。

症状別・どちらを受診すべきか〜具体的な判断基準
「どちらに行けばいいか」は、症状の種類と緊急度によって判断できます。
以下の基準を参考にしてください。
整形外科を受診すべき症状
次のような症状がある場合は、まず整形外科を受診することを強くおすすめします。
- 骨折・脱臼の疑い…転倒や強い衝撃の後、激しい痛みや腫れがある場合
- しびれや神経症状がある…手足のしびれ、感覚の異常、力が入らないなど
- 慢性的な腰痛・膝痛・肩の痛み…原因が特定できていない長引く痛み
- 骨粗鬆症の疑い…身長が縮んだ、背中が丸くなった、軽い衝撃で骨折したなど
- 交通事故後の症状…むち打ち・頸部痛・頭痛・めまいなど
- 診断書が必要な場合…労災・交通事故・保険申請など
- 薬の処方が必要な場合…痛み止めや湿布などの医薬品処方
整形外科ではレントゲンやMRIによる画像診断が可能です。骨折の有無・靭帯損傷の程度・神経圧迫の状態を客観的に確認できます。
接骨院が向いているケース
以下のような場合は、接骨院の施術が有効な選択肢になることがあります。
- 整形外科で「骨折なし・異常なし」と診断された後の回復ケア
- 軽度の捻挫・打撲で、整形外科での診断が済んでいる場合
- 整形外科医師が整骨院での施術に同意している場合
ただし、接骨院では画像検査ができないため、骨折や靭帯断裂などの重篤な損傷を見逃すリスクがあります。
「まず整形外科で診断を受けてから、必要に応じて接骨院を利用する」という流れが、安全で合理的な選択です。
接骨院と整形外科の「併用」には注意が必要
「両方に通えばより早く治るのでは?」と考える方もいます。
しかし、保険適用の場合、同時期・同じ症状で整形外科と接骨院を併用することは認められていません。
なぜ併用できないのか
健康保険組合は、保険が正しく使われているかを定期的に調査しています。同じ症状に対して両方で保険請求が行われた場合、社会的信頼度が高い整形外科の保険適用が優先され、接骨院の施術は自費扱いになります。後から全額請求されるケースもあるため、注意が必要です。
例外的に併用できるケース
以下の場合は、同時期・同症状でも対応できることがあります。
- 接骨院を自費で利用する場合
- 整形外科の担当医師が接骨院での施術に同意した場合
- 骨折・脱臼の応急処置を接骨院で受け、その後整形外科を受診した場合
いずれにせよ、まず整形外科で正確な診断を受けることが大前提です。
整形外科でできること〜接骨院との決定的な差
整形外科の強みは、「原因を正確に特定できること」です。
診断なき治療は、的外れになるリスクがあります。
画像診断による正確な評価
整形外科ではレントゲン・CT・MRIなどの画像検査が可能です。骨折の有無・骨密度の低下・椎間板の状態・靭帯損傷の程度を客観的に評価できます。接骨院ではこれらの検査は行えません。
薬物療法・注射・手術への対応
整形外科では、痛み止め(ロキソニンなどの第1類医薬品)の処方、関節へのヒアルロン酸注射、コルセットや装具の処方、必要に応じた手術まで対応できます。
接骨院で処方できるのは第2類・第3類医薬品(市販薬相当)までに限られます。
理学療法士によるリハビリテーション
当院では、理学療法士が一人ひとりの状態を評価し、個別のリハビリプログラムを作成します。ストレッチ・筋力強化・歩行訓練・姿勢指導など、再発防止まで見据えた治療を提供しています。
他科との連携・診断書の作成
整形外科は医療機関であるため、必要に応じて他の診療科への紹介状を作成できます。また、交通事故・労災・保険申請に必要な診断書の作成も対応可能です。接骨院では診断書の発行はできません。

こんな経験はありませんか?〜よくある受診ミスのパターン
実際の診療現場で、こんなケースを経験してきました。
50代の女性患者さまが、「転んで足首が痛い」と接骨院に通い続けていました。1か月経っても痛みが引かず、当院を受診。レントゲンを撮ったところ、足首の骨折が判明しました。適切な固定処置が遅れ、回復に余計な時間がかかってしまいました。
また、70代の男性患者さまは「慢性的な腰痛」として接骨院で施術を受けていましたが、実は骨粗鬆症による圧迫骨折が原因でした。骨密度測定(DXA法)で骨折リスクが高いことが判明し、薬物療法と転倒予防指導を開始。その後は骨折なく経過しています。
「痛みがあるだけだから」と軽く考えず、まず整形外科で原因を確認することが大切です。
特に注意が必要な症状・状況
- 高齢者の転倒後の痛み(骨粗鬆症による骨折の可能性)
- スポーツ中のケガで強い衝撃があった場合
- 痛みが2週間以上続いている場合
- 夜間や安静時にも痛みがある場合
- 腫れや変形を伴う場合
これらの症状は、接骨院での施術だけでは対応できない可能性があります。まず整形外科を受診してください。
渚うめだ整形外科クリニックが対応できること
当院は、大阪府枚方市・京阪本線「御殿山駅」徒歩3分に位置する地域密着型の整形外科クリニックです。旧渚病院の整形外科機能を継承し、子どもから高齢者まで幅広い年代の患者さまに対応しています。
急性のケガから慢性疾患まで幅広く対応
- 骨折・脱臼・捻挫・打撲…レントゲンによる正確な診断と適切な固定・処置
- 慢性的な腰痛・肩こり…原因を特定した根本改善型の治療
- ぎっくり腰(急性腰痛症)…急性期の炎症コントロールから再発防止リハビリまで
- 交通事故・むち打ち症…診断書作成・継続リハビリを含む長期フォロー体制
- ストレートネック(スマホ首)…姿勢評価と運動療法・生活指導
骨粗鬆症の専門的診療に特化
当院が特に力を入れているのが、骨粗鬆症の専門的診療です。
DXA法による腰椎・大腿骨の骨密度測定で将来の骨折リスクを数値化し、血液検査による骨代謝マーカーの確認で治療方針を最適化します。内服薬・注射製剤・骨吸収抑制薬・骨形成促進薬などを患者さまの状態に応じて選択し、理学療法士による運動指導・転倒予防指導まで一貫して提供しています。
「骨折しない身体」「自分の足で歩き続けられる生活」を目指した、人生の質(QOL)を守る医療を実践しています。
こんな方はお気軽にご相談ください
- ケガをしたが骨折かどうかわからない
- 接骨院に通っているが、なかなか良くならない
- 慢性的な痛みの原因を正確に調べたい
- 骨粗鬆症が心配、骨密度を測りたい
- 交通事故後の診断書や継続治療が必要
まとめ〜迷ったらまず整形外科へ

接骨院と整形外科の違いを、改めて整理します。
- 整形外科は医師が診療する医療機関。画像診断・薬物療法・リハビリ・手術まで対応可能
- 接骨院は柔道整復師が施術を行う施術所。急性外傷への手技・物理療法が中心
- 保険適用の範囲が大きく異なる(接骨院は急性外傷のみ)
- 同時期・同症状での併用は保険上認められない
「どちらに行くか迷ったら、まず整形外科」が基本的な考え方です。
原因を正確に把握してから治療を進めることが、早期回復と再発防止につながります。
小さな痛みや違和感でも、早めのご相談が将来の大きなトラブルを防ぐ第一歩です。どうぞお気軽に渚うめだ整形外科クリニックへご相談ください。
渚うめだ整形外科クリニック
大阪府枚方市 / 京阪本線「御殿山駅」徒歩3分
整形外科・リハビリテーション科・麻酔科
詳細・ご予約は公式サイトよりご確認ください。
整形外科受診を検討している方へ
初診の流れや受診の目安を確認しながら、WEB予約へ進めます。どこに相談するべきか迷う段階でも整理しやすい導線です。
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次の一歩
検査や診断の必要性を含めて確認したいときは、整形外科の診療案内から見ておくと判断しやすくなります。
整形外科の診療案内を見る【著者情報】

渚うめだ整形外科クリニック 院長 梅田 眞志
関西医科大学卒業後、同大学大学院博士課程を修了し、再生医療の研究に従事。医学博士。
これまで、八尾徳州会病院、天心堂病院、社会保険滋賀病院、弘道会 萱島生野病院、関西医大枚方病院などで、脊椎疾患・関節疾患・骨粗鬆症・骨折などの外傷治療に幅広く携わってきました。
2018年に渚うめだ整形外科クリニックを開院。地域に根ざした整形外科医療を通じて、運動器疾患のかかりつけ医として診療を行っています。
主な経歴
・2000年 関西医科大学 卒業
・2008年 関西医科大学大学院 博士課程修了(再生医療の研究に従事)
・八尾徳州会病院
・天心堂病院
・社会保険滋賀病院
・弘道会 萱島生野病院 整形外科 医長
・関西医大枚方病院 整形外科(脊椎外科・骨粗鬆症担当)
・2018年 渚うめだ整形外科クリニック 開院
資格・所属学会
日本整形外科学会 整形外科専門医/日本整形外科学会 認定運動器リハビリテーション医/日本整形外科学会 認定リウマチ医/日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医/日本骨粗鬆学会認定医
日本整形外科学会、日本骨粗鬆学会、日本骨折治療学会、日本抗加齢学会に所属。国内外の学会・シンポジウムでも多数の講演実績があります。
