• 2026年4月3日
  • 2026年4月1日

急性腰痛症(ぎっくり腰)の治療の流れ|整形外科での診察から回復までの全工程

急性腰痛症とは

急性腰痛症は「ぎっくり腰」とも呼ばれ、突然強い痛みが腰に走る症状です。

重いものを持ち上げた瞬間、腰をひねった拍子、あるいは何気ない動作の最中に突如として激痛が襲います。

この痛みは筋肉や靭帯への急激な負荷が原因となることが多く、時には椎間関節や椎間板の損傷が関与している場合もあります。

レントゲン撮影でも明確な異常が見つからないことが多いのが特徴で、神経痛や麻痺症状を伴わないケースがほとんどです。

一般的には比較的短期間で自然治癒していきますが、初期対応を誤ると痛みが長引いたり慢性化したりする可能性があります。

整形外科を受診すべきタイミング

急性腰痛症を発症した際、すぐに整形外科を受診すべきかどうか迷う方も多いでしょう。

すぐに受診すべき危険なサイン

以下のような症状がある場合は、速やかに整形外科を受診してください。

  • 安静にしていても痛みが続く・・・夜間に痛みで目が覚める、横になっても痛みが軽減しない場合は注意が必要です。
  • 足のしびれや麻痺がある・・・お尻から太もも、すね、足先にかけて広がるしびれや痛み、力が入らない症状は神経圧迫の可能性があります。
  • 排尿や排便の異常・・・尿が出にくい、頻尿、残尿感、便失禁や尿失禁などの症状は緊急性が高い状態です。
  • 原因不明の発熱や体重減少・・・37.5度以上の発熱が続く、急な体重減少がある場合は全身的な病気の可能性があります。

日常生活に支障が出る場合の受診目安

危険なサインはなくても、以下のような状況では整形外科の受診を検討しましょう。

  • 痛みが1週間以上続いている・・・通常は数日から1週間程度で徐々に痛みは和らいでいきます。
  • 市販の湿布薬や鎮痛薬で改善しない・・・数日間試しても効果が感じられない場合は専門家の診察が必要です。

整形外科での診察の流れ

整形外科を受診すると、まず問診と触診から始まります。

問診で医師に伝えるべきこと

医師は以下のような質問をしながら、症状の背景や原因を探っていきます。

  • いつ、どのような状況で発症したのか
  • どんな動きで痛みが強くなるのか
  • 安静時にも痛みがあるか
  • 過去に同様の症状があったか
  • 日常生活やライフスタイル

これらの情報は診断の重要な手がかりとなります。

できるだけ詳しく、正確に伝えることが大切です。

身体診察でわかること

問診の後、医師は腰の動きや姿勢を見ながら、筋肉の緊張や神経の状態をチェックします。

身体を前に倒すと痛みが出る場合は、主に椎間板など腰の前方にある構造物が原因であることが多いです。

身体を後ろにそらせると痛みが出る場合は、主に椎間関節など腰の後方にある構造物が原因であることが多いとされています。

検査の種類と目的

症状の程度や経過を踏まえて、必要に応じて各種検査を行います。

レントゲン撮影

レントゲン撮影は骨の状態を確認するための基本的な検査です。

骨折や骨の変形、骨粗鬆症による圧迫骨折などを見つけることができます。

ただし、ぎっくり腰の場合、レントゲン撮影でも明確な異常が見つからないことが多いです。

MRI検査

痛みが強い場合や神経症状がある場合には、MRI検査で原因をより詳しく確認することがあります。

MRIでは筋肉や神経の状態を立体的に見ることができるため、腰の内部の炎症や椎間板の状態を判断する材料になります。

検査自体は10〜20分程度で終わることが多く、結果はその日のうちに説明を受けられる場合もあります。

その他の検査

必要に応じて血液検査や骨密度検査を行うこともあります。

これらの検査は、腰痛の背景にある全身的な病気を見つけるために重要です。

治療の基本方針

急性腰痛症の治療は、痛みの段階に応じて適切な対応を行うことが重要です。

急性期の治療(発症直後〜3日目)

発症直後は組織の損傷と激しい炎症が起こっています。

この時期は安静を第一に考え、患部を冷やして炎症を抑えることが大切です。

痛みが強い場合は、痛み止めの薬や湿布を用いて症状を緩和していきます。

腰を支えるために、腰痛用コルセットなどの装具を使うこともあります。

無理な動作は一切避け、最も楽な姿勢を見つけて安静を保ってください。

亜急性期の治療(4日目〜1週間)

炎症がピークアウトし、痛みが鈍痛へと変化してくる時期です。

動ける範囲が少しずつ広がってきます。

この時期は痛みのない範囲で日常生活動作を再開することが大切です。

冷やすのをやめ、徐々に温める方向へシフトしていきます。

過度な安静は逆効果になることがあるため、少しずつ活動量を増やしていくバランス感覚が求められます。

回復期の治療(2週間〜1ヶ月)

組織の修復が進み、痛みは違和感程度になってきます。

筋力や柔軟性が回復し始める時期です。

通常の生活に戻し、ストレッチや軽い運動を取り入れていきます。

再発防止のためのケアを開始することも重要です。

理学療法とリハビリテーション

痛みが落ち着いた段階で、理学療法士による運動療法やリハビリテーションを行うことがあります。

物理療法

物理療法には牽引療法、電気治療、温熱療法などがあります。

これらの治療は血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。

当院では理学療法士が患者さまの状態に応じて、適切な物理療法を提供しています。

運動療法

筋肉の柔軟性を取り戻し、再発しにくい体づくりを目指すために運動療法が重要です。

理学療法士の指導のもと、無理のない範囲で体幹トレーニングやストレッチを行います。

適切な運動療法メニューでバランスよく筋肉を鍛えることで、再発を防ぐことができます。

回復までの期間と経過

急性腰痛症は一般的に約1〜2週間ほどで自然治癒します。

早ければ数日で治ることもあります。

ただし、痛みが治まったからといって、すぐに完治したと判断するのは早計です。

損傷した組織が完全に元の強度を取り戻すまでには、さらに時間がかかります。

痛みがなくなった直後に無理な負担をかけると、再発のリスクが高まるだけでなく、痛みが慢性化してしまう恐れがあります。

慢性化を防ぐために

急性腰痛症をきっかけに慢性化を防ぐためには、日々の暮らしの中で腰にかかる負担を軽減する工夫が必要です。

  • 座るときは背筋を伸ばし、できるだけ深く腰掛ける
  • 仕事の休憩中に軽いストレッチを行う
  • 同じ姿勢を長時間続けない
  • 適度な運動で筋力を維持する

再発予防のポイント

ぎっくり腰は繰り返し発症することがあります。

再発を防ぐためには、日常生活での工夫が欠かせません。

姿勢の改善

デスクワークで長時間同じ姿勢を続ける人や、仕事で重量物を頻繁に扱う人は、腰に負担がかかりやすい環境下で生活しています。

正しい姿勢を意識し、腰への負担を減らすことが大切です。

適度な運動

運動不足や姿勢の乱れなどにより腰回りの筋力が弱っている人は、少しの動作でも腰の関節や筋肉に大きな負荷をかけやすくなります。

ウォーキングなど軽い運動で筋肉を冷やさないようにし、適度に入浴するなどして温めることも効果的です。

ストレス管理

精神的負担が筋肉の緊張を高めることもあります。

ストレスを溜め込まず、リラックスする時間を持つことも再発予防につながります。

当院での治療の特徴

渚うめだ整形外科クリニックでは、急性腰痛症に対して総合的なアプローチを行っています。

根本改善型治療

当院では単なる痛みの緩和だけでなく、根本原因の理解と再発予防につながる診療を大切にしています。

レントゲン検査、理学療法評価、物理療法(牽引・電気治療・温熱)、運動療法を組み合わせた根本改善型治療を提供しています。

理学療法士による専門的なサポート

当院では理学療法士が無理のないメニューでセルフケアのアドバイスも行っています。

患者さま一人ひとりの状態に応じて、最適な運動療法プログラムを提案します。

長期フォロー体制

急性期の炎症コントロール・鎮痛治療・安静管理から、回復期の再発防止リハビリ・体幹トレーニング・姿勢指導まで、一貫した治療を提供しています。

痛みが治まった後も、再発を防ぐための継続的なサポートを行います。

まとめ

急性腰痛症は初期対応が肝心です。

適切な治療で早期回復を目指し、慢性化を防ぐことが重要です。

整形外科での問診・検査から理学療法、リハビリまでの流れを理解し、ご自身の症状に合わせた対応を心がけてください。

当院では、旧渚病院の整形外科機能を継承し、地域の運動器医療を支えてきた歴史があります。

子どもから高齢者まで幅広い年代の患者さまに対応し、痛みの根本原因の理解と再発予防につながる診療を提供しています。

どんな小さな症状でもお気軽にご相談ください。

渚うめだ整形外科クリニック

大阪府枚方市・京阪本線「御殿山駅」徒歩3分

整形外科・リハビリテーション科・麻酔科

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【著者情報


渚うめだ整形外科クリニック 院長 梅田 眞志

関西医科大学卒業後、同大学大学院博士課程を修了し、再生医療の研究に従事。医学博士。
これまで、八尾徳州会病院、天心堂病院、社会保険滋賀病院、弘道会 萱島生野病院、関西医大枚方病院などで、脊椎疾患・関節疾患・骨粗鬆症・骨折などの外傷治療に幅広く携わってきました。
2018年に渚うめだ整形外科クリニックを開院。地域に根ざした整形外科医療を通じて、運動器疾患のかかりつけ医として診療を行っています。

主な経歴
・2000年 関西医科大学 卒業
・2008年 関西医科大学大学院 博士課程修了(再生医療の研究に従事)
・八尾徳州会病院
・天心堂病院
・社会保険滋賀病院
・弘道会 萱島生野病院 整形外科 医長
・関西医大枚方病院 整形外科(脊椎外科・骨粗鬆症担当)
・2018年 渚うめだ整形外科クリニック 開院

資格・所属学会
日本整形外科学会 整形外科専門医/日本整形外科学会 認定運動器リハビリテーション医/日本整形外科学会 認定リウマチ医/日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医/日本骨粗鬆学会認定医
日本整形外科学会、日本骨粗鬆学会、日本骨折治療学会、日本抗加齢学会に所属。国内外の学会・シンポジウムでも多数の講演実績があります。

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