- 2026年4月3日
- 2026年4月1日
ぎっくり腰の再発防止対策|繰り返さないための8つの習慣と体幹トレーニング

「またぎっくり腰になってしまった…」そんな経験はありませんか?
ぎっくり腰は一度経験すると再発しやすく、約25~62%の方が2年以内に再び痛みに襲われるとされています。
しかし、正しい知識と日常的な対策を実践することで、再発リスクを大幅に減らすことができます。
当院では、骨粗鬆症や腰痛治療を通じて、多くの患者様の「痛みのない生活」を支援してきました。ぎっくり腰の再発防止には、体幹の強化と日常動作の見直しが不可欠です。
ぎっくり腰はなぜ再発しやすいのか
ぎっくり腰の正式名称は「急性腰痛症」といいます。
突然の激しい痛みで動けなくなることから、海外では「魔女の一撃」とも呼ばれています。
多くの場合、1~2週間ほどで痛みは自然に治まります。しかし、31%の方が6ヵ月後も完全回復に至っていないという報告があります。

再発の主な原因
ぎっくり腰が再発しやすい理由は、根本的な原因が解決されていないためです。
筋肉や靭帯の損傷、椎間板のズレ、椎間関節の障害などが背景にあり、これらが完全に回復しないまま日常生活に戻ると、同じような動作で再び痛みが起こります。
特に、腰を支える体幹の筋肉が弱いままだと、腰への負担が増えて再発リスクが高まります。
再発しやすい人の特徴
以下のような方は、ぎっくり腰を繰り返しやすい傾向があります。
- 運動不足:腹筋や背筋などの体幹筋が弱い
- 肥満:体重増加により腰への負担が大きい
- ストレス過多:筋肉の緊張が慢性化している
- 睡眠不足:筋肉の回復が不十分
- 長時間のデスクワーク:同じ姿勢が続き筋肉が硬直
また、痛みに対する「破局的な思考」が強い方ほど腰痛が慢性化しやすいという報告もあります。
「もう治らないかもしれない」「何もできない」といったネガティブな考えは、実際に回復を遅らせる可能性があります。
再発を防ぐための8つの生活習慣
ぎっくり腰の再発を防ぐには、日常生活の中での小さな工夫が大切です。
以下の8つの習慣を意識することで、腰への負担を減らし、再発リスクを大幅に下げることができます。
1. 正しい姿勢を保つ
デスクワークや家事の際、前かがみの姿勢が続くと腰に大きな負担がかかります。
椅子に座るときは、背もたれに腰をしっかりつけ、足裏全体を床につけるようにしましょう。
立っているときは、お腹に軽く力を入れて、骨盤を立てる意識を持つことが重要です。
2. 重いものを持つときは膝を使う
荷物を持ち上げる際、腰を曲げて持ち上げると腰に過度な負担がかかります。
膝を曲げて腰を落とし、荷物を体に近づけてから持ち上げるようにしましょう。
この動作だけでも、腰への負担を大きく軽減できます。
3. 急な動作を避ける
朝起きたときや、長時間同じ姿勢でいた後は、筋肉が硬くなっています。
急に立ち上がったり、振り向いたりせず、ゆっくりと体を動かし始めることが大切です。
特に朝は、布団の中で軽く体を動かしてから起き上がるようにしましょう。
4. 適度な運動を習慣化する
ウォーキングなどの有酸素運動は、腰痛の予防に非常に効果的です。
定期的なウォーキングを1年以上続けた方は、腰痛の再発リスクが約30%減少したという研究結果があります。
週に2~3回、30分程度のウォーキングから始めてみましょう。

5. 体重管理を意識する
体重が増えると、その分腰への負担も増加します。
適正体重を維持することは、腰痛予防の基本です。バランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。
6. ストレスをためない
ストレスは筋肉の緊張を高め、血行不良を引き起こします。
趣味の時間を持つ、十分な睡眠をとる、リラックスできる環境を作るなど、ストレス解消法を見つけることが大切です。
7. 質の良い睡眠をとる
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、筋肉や組織の修復が行われます。
毎日7時間程度の睡眠時間を確保し、寝具も体に合ったものを選びましょう。
硬すぎず柔らかすぎないマットレスが理想的です。
8. 寒暖差に注意する
春先など、日中と朝晩の気温差が大きい時期は、筋肉がこわばりやすくなります。
体を冷やさないよう、服装を調整し、入浴で体を温めることを習慣にしましょう。
体幹トレーニングで腰を守る
体幹の筋肉は、腰を支える「天然のコルセット」の役割を果たします。
特に、体の深部にある「インナーマッスル」を鍛えることで、背骨が安定し、腰への負担が軽減されます。
ここでは、自宅で簡単にできる3つの体幹トレーニングをご紹介します。
1. ドローイン(腹横筋の活性化)
ドローインは、腹横筋という深層筋を働かせる基本的なエクササイズです。
方法
- 仰向けに寝て、両膝を軽く立てます
- ゆっくりと息を吐きながら、おへそを背骨に近づけるようにお腹をへこませます
- お腹をへこませたまま、浅い呼吸を続けます
- 10秒キープ×5回を目安に行います
腰で床を強く押し付けすぎないように注意しましょう。

2. バックブリッジ(殿筋と多裂筋の強化)
お尻の筋肉と背中の深層筋を同時に鍛えるトレーニングです。
方法
- 仰向けのまま、膝を立て、足は肩幅程度に開きます
- 息を吐きながら、お尻をゆっくりと持ち上げます
- 肩から膝までが一直線になったところで止めます
- 5秒キープ×10回を目安に行います
腰を反りすぎないように注意し、お尻と太ももの裏に力が入っていることを意識しましょう。
3. バードドッグ(動きの中での体幹安定)
手足を動かしながら体幹を安定させる、応用的なトレーニングです。
方法
- 四つ這いの姿勢になります
- 右手と左足を同時にゆっくりと伸ばします
- 体が一直線になるように意識し、5秒キープします
- ゆっくりと元に戻し、反対側も同様に行います
- 左右交互に10回ずつを目安に行います
体がぐらつかないよう、お腹に力を入れて安定させることがポイントです。
トレーニングの注意点
体幹トレーニングは、痛みが落ち着いてから始めましょう。
急性期に無理をすると、かえって症状を悪化させる可能性があります。また、正しいフォームで行うことが重要です。
不安な場合は、理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。
急性期の正しい対処法
もし再びぎっくり腰になってしまった場合、初期対応が重要です。
適切な対処をすることで、回復を早め、慢性化を防ぐことができます。
安静を優先する
痛みが強いときは、無理に動かず安静を保ちましょう。
ただし、完全に動かないのではなく、痛みの範囲内で少しずつ動くことが大切です。
長期間の安静は、かえって筋力低下を招き、回復を遅らせる可能性があります。
冷やすか温めるか
従来は「発症直後は冷やす、その後は温める」とされていましたが、近年の研究では、どちらも効果があるとされています。
ご自身の体に合った方法を選びましょう。入浴でリラックスすることも、回復に役立ちます。
コルセットの使用
コルセットは痛みを和らげる効果がありますが、長期使用は体幹筋を弱める可能性があります。
痛みが強いときだけ使用し、症状が落ち着いたら外すようにしましょう。
早めの専門医受診
症状があまりにもひどい場合や、足にしびれがある場合は、椎間板ヘルニアなど他の疾患の可能性もあります。
早めに整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

当院でできるぎっくり腰の治療とサポート
渚うめだ整形外科クリニックでは、ぎっくり腰の急性期治療から再発防止まで、総合的なサポートを行っています。
急性期の治療
炎症を抑える鎮痛治療、安静管理、物理療法(牽引・電気治療・温熱)を組み合わせ、早期回復を目指します。
回復期のリハビリテーション
理学療法士による運動指導、体幹トレーニング、姿勢指導を通じて、再発を防ぎます。
患者様一人ひとりの状態に合わせた、オーダーメイドのリハビリプログラムを提供しています。
根本改善を目指す治療
レントゲン検査で骨格の状態を確認し、理学療法評価で筋肉や関節のバランスをチェックします。
その場しのぎではなく、根本的な原因にアプローチする治療を心がけています。
骨粗鬆症の予防・治療
高齢の方の場合、骨粗鬆症が腰痛の原因になることもあります。
当院では、DXA法による骨密度測定、血液検査による骨代謝評価、薬物療法、運動療法を組み合わせた総合的な骨粗鬆症治療を行っています。
骨折予防・寝たきり予防を通じて、健康寿命の延伸を目指しています。
まとめ:ぎっくり腰は予防できる
ぎっくり腰は再発しやすい疾患ですが、適切な対策を行うことで予防が可能です。
日常生活での姿勢改善、正しい動作の習慣化、体幹トレーニングの継続が、再発防止の鍵となります。
特に、定期的なウォーキングと体幹トレーニングは、科学的にも効果が証明されている予防法です。
「もう二度とあの痛みを経験したくない」そう思われる方は、今日から少しずつ習慣を変えていきましょう。
当院では、ぎっくり腰の治療だけでなく、再発防止のための運動指導や生活指導も行っています。
小さな痛みや違和感でも、早めにご相談ください。一緒に「痛みのない生活」を取り戻しましょう。
渚うめだ整形外科クリニック
大阪府枚方市・京阪本線「御殿山駅」徒歩3分
整形外科・リハビリテーション科・麻酔科
骨粗鬆症専門診療・腰痛治療・ぎっくり腰・交通事故外傷対応
【著者情報】

渚うめだ整形外科クリニック 院長 梅田 眞志
関西医科大学卒業後、同大学大学院博士課程を修了し、再生医療の研究に従事。医学博士。
これまで、八尾徳州会病院、天心堂病院、社会保険滋賀病院、弘道会 萱島生野病院、関西医大枚方病院などで、脊椎疾患・関節疾患・骨粗鬆症・骨折などの外傷治療に幅広く携わってきました。
2018年に渚うめだ整形外科クリニックを開院。地域に根ざした整形外科医療を通じて、運動器疾患のかかりつけ医として診療を行っています。
主な経歴
・2000年 関西医科大学 卒業
・2008年 関西医科大学大学院 博士課程修了(再生医療の研究に従事)
・八尾徳州会病院
・天心堂病院
・社会保険滋賀病院
・弘道会 萱島生野病院 整形外科 医長
・関西医大枚方病院 整形外科(脊椎外科・骨粗鬆症担当)
・2018年 渚うめだ整形外科クリニック 開院
資格・所属学会
日本整形外科学会 整形外科専門医/日本整形外科学会 認定運動器リハビリテーション医/日本整形外科学会 認定リウマチ医/日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医/日本骨粗鬆学会認定医
日本整形外科学会、日本骨粗鬆学会、日本骨折治療学会、日本抗加齢学会に所属。国内外の学会・シンポジウムでも多数の講演実績があります。
